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ニューエイジという欧米のスピリチュアルカルチャー

  • acousticlife111
  • 2024年8月19日
  • 読了時間: 5分

「ニューエイジ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

現代では色々な分野で、新しい価値観を持つ人たちをニューエイジと形容することがありますが、もとは1970年~80年頃に欧米で起こったスピリチュアルカルチャーを指す言葉です。それを実践した人々を、ニューエイジ、ニューエイジャーと呼びました。

 

 

宗教信仰に対抗して、新しい考えを持つ

ニューエイジとは、新時代という意味です。

何が新時代かというと、霊性に対する考え方、取り組み方です。

欧米では当時すでに、キリスト教の信仰が盛んでした。誰もが少々の霊的な観念は持ち、魂、天使、神といった観念を持ちます。キリスト教は、それを信仰して日曜日に教会に来ればキリストが罪を肩代わりしてくれる、と説きました。

 

ニューエイジは、欧米で2000年も続いたその考え方から脱却しました。

彼らは、「霊的な真理はキリスト教ではなく、東洋の宗教の中にあるのでは」と考えたのです。仏教や道教、禅などの考え方をリスペクトし、それを探求しました。

 

ニューエイジの主な特徴は4つです。

 

  • 座禅瞑想の修行をしてサイキックを獲得する

  • 脱資本主義、お金に価値を置かない

  • 脱貨幣社会、そして自給自足やヒッピー暮らし

  • 運命の人と出会って恋愛する

 

 

座禅瞑想の修行をしてサイキックを獲得する

座禅瞑想は、はるばるインドまで赴いて行われました。インドに、座禅瞑想を教える瞑想センターのようなものがあるのです。

欧米人にとってもインドは未知なる、怖い、汚い土地で、そのカルチャーショックに打ちのめされる体験も含めて、「インド修行」を敢行したのです。これは彼らにとって大いなる「冒険」でした!

ビートルズもインドで瞑想修行したことは有名です。

 

彼らは瞑想センターで、質素な食事と静かな生活に耐え、そして一日中瞑想の課題に耽りました。2週間ほどのスパンが一般的です。そしてその多くが、霊視程度は会得しました。

 

1980年代にチャネリングブームが欧米で起こりますが、インドで瞑想修行をした人々がもっぱらそれを担いました。

こうした霊能者のすべてが誠実だったわけではありません。

 

 

脱資本主義、お金に価値を置かない

東南アジアの宗教は「質素であれ」と説きます。

キリスト教は、「たくさん稼いでもいい。献金せよ」と説きますが、これまでの価値観を覆す、「裕福になろうとすることがそもそも心を汚すのだ」という観念に、ニューエイジたちは勇気を持って心を開いたのです。

そして資本主義的な考え方を辞めたり、質素に暮らそうと考えるスピリチュアリストが増えました。日本で言う仏教的な観念が近いです。

 

フラワーガールという言葉がこれです。白いワンピースを着て、頭にお花を飾って草原で踊っている女の子たちです。「花があれば何も要らない」という観念で、フラワーガールのモチーフは現代でもミュージックビデオなどで引用されたりします。

 

 

脱貨幣社会、そして自給自足やヒッピー暮らし

インドの瞑想センターは、自給自足のコミューンを備えるものが数多くありました。瞑想修行をするだけでなく、農業や手仕事で暮らしを自給する発想に目覚めるのです。

瞑想修行をしたニューエイジの多くは、国に帰らずインドのコミューンに留まりました。そのまま何年も自給自足っぽい暮らしをしたのです。貨幣社会を卒業したのです。

または瞑想センターを出て、別の場所にいる自給自足的コミューンにたどり着いてそこで生活しました。

こうしたコミューンでの滞在は、昔のバックパッカーたちの旅行記の中でも少々垣間見れたりします。バックパッカーたちはこういう人間に出会うのです。

 

または自国に帰ってきて、金銭労働をせずに村を造って暮らす若者も大勢いました。

しかし自給自足というよりは「有りものを寄せ集めて遊んで暮らす」というニュアンスの強いものでした。芸術を楽しむ人が多くいました。彼らは自給自足すらもしませんし、大麻に中毒する人が多かったことから、いわゆるヒッピーたちは社会的に批判され、弾圧されていきます。

 

 

運命の人と出会って恋愛する

インドの瞑想センターでサイキックを獲得した人々は、チャネリングに導かれてツインレイに巡り合う人が数多くいました。運命的な大恋愛をしたのです。インドという怖い土地に冒険に繰り出し、運命の相手と巡り合うのですから、それは感動的です。

ここから「運命の人」という言葉がドラマやアニメなどでよく用いられるようになるのです。

 

 

多くは商業ヒーラーやヒッピーに陥ったが・・・

彼らはなかなか面白い実践をしましたが、その多くは自国に帰ったのちに商業チャネラー、商業ヒーラーに落ちぶれて、ただのお金儲けになってしまいます。

自給自足とは似て非なるヒッピーに落ちぶれ、大麻を吸いながら遊んで暮らすだけの人が大勢現れます。

それがニューエイジの結果だった、と言えます。そしていつしか絶滅し、アメリカ社会はまた超資本主義の第一人者になっています。

 

仏教思想的なものに達した人もおり、しかし彼は僻地にこもってひっそりと暮らすので、本やテレビで紹介されたりしないのです。

東南アジアなど旅していると、やはりこうした隠居者に出会って面白い話が聞けたりします。

 

 

日本のスピリチュアルブームよりはマシだったと言える

ニューエイジャーの多くも本質を見失います。が、日本のスピリチュアルブームよりは大きな行動・努力・改革を起こしたと言えます。

2000年頃に端を発する日本のスピリチュアルブームは、その99%それ以上が、願掛けに中毒しただけです。2000年頃に日本に出回ったスピリチュアル書物の中にも、「自給自足をしよう」と説くものは数多くありましたが、スピリチュアリストがそういうアクションを起こすことはほとんどありませんでした。

座禅瞑想をしましたが、サイキックが芽生えるほど本格的に取り組む人はほとんどいませんでした。

 

欧米人にとってのニューエイジは、「豊かな暮らし」「資本主義」に対する疑問・違和感に端を発します。「生き方の理想は東洋思想の質素さにあるのではないか?」という道徳的理念がまずあるので、行動が伴ったのでしょう。

日本のスピリチュアルブームはそういう道徳的理念がなく、神秘的な憧れに基づく願掛けなのです。

 

スピリチュアルというのは、ある程度人格が成熟してから勉強しないと、願掛けに堕落するだけです。

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