私たち人間のことを、ガイド霊、守護天使のほかに「守護妖精」なる存在も見守っていることがあります。
守護妖精とは?守護というよりは勉強
守護妖精は、誰にでも就いているわけではありません。
自然の中に存在している植物や鉱物の精霊たちは、ある人間のことが気に入ると、守護妖精としてついていくことがあります。
「守護」という言葉が付いていますが、主人を守るようなことはほとんどしません。主人の人生を通して社会を観ています。
妖精は勉強意欲の強い者が多いのです。しかし自分が与えられた植物や鉱物の中でしか世界を見れません。なので、ときに人間についていって色々なものを見ます。
おしゃべりなことも
妖精は、人間と同じように個性があります。とても寡黙な者もいればおしゃべりな者もいます。
中には頻繁に助言したりおしゃべりしたりする者もいます。
あまりにも主人への思い入れが強ければ、そのまま守護天使に抜擢されてしまう者もいます。妖精から天使に、属性自体も変わってしまいます。
守護妖精が何人も就いていることも
守護妖精は決められた仕事を担う存在ではありません。ある意味、芸能人におけるファンのように着いていくので、人によっては複数の守護妖精が就いていることもあります。
複数どころか数十、数百の妖精を引き連れる人もいますが、それが他者に認識されることはまずなく、本人すらも自覚していないことがもっぱらです。
守護妖精はほとんど何もしていませんが、気に入った主人をサポートするような立場で人間の生を生きることもあり、妖精に気に入られることはそれなりに価値があると言えます。
どんな人が妖精に気に入られる?
まず、植物を愛する人が好かれます。ガーデニングをしたり、よく花を飾ったりする人です。花の1つ1つに話しかけるような人はよく花に好かれます。
植物を破壊されることを妖精たちは嫌いますが、子供が家にこもらずに公園で木登りしたりすると、たとえその過程で枝を折られたとしてもその子を気に入ったりします。
植物にレイキを掛けていたり、植物を守る、植物をいたわる言動をする人を見て気に入ります。木々の絵ばかり描くような人も好かれます。
自然豊かな地を旅する人も好かれます。
または、音楽を聴かされたりするとその人を気に入ります。どんな音楽を好んで奏でるのか、その感性に好感を抱きます。優しくてナチュラルな音楽が、妖精たちは好きです。
『世界樹』はラノベで妖精の在り方を描いた
私のラノベ『世界樹』の中で、妖精の女王キキちゃんはななやゆなを気に入って旅に同行します。これはあながちファンタジーでもなく、人間を気に入れば非常に魂の成熟した妖精が手助けしようとすることがあります。肉体的な痛みを背負ってでも助けようとすることがあります。
そうして、人間嫌いの妖精たちが人間を愛し、守る、という感性を培っていくことで、妖精たちもまた立派な存在へと成長していきます。「ロゴス」と呼ばれる守護者です。
洞窟の中にいたマヤ爺さんは山のロゴスですが、世界中の山の痛みを感じ取りながら山を見守っています。キキちゃんは花のロゴスです。
そしてクライマックスで体を張って助けてくれるラミアスは、あのような体験から次に世界樹のような大きな木になり、人に実や花やひさしを提供するのです。
惑星全体のロゴスを担う者もいます。
すべては「守護妖精」というかたちで人間に興味を持つことから始まります。どれだけ知識があるかよりも、「どれだけ人を愛するか(助けるか)」で、妖精たちもより大きな存在へと成長していきます。それぞれにドラマチックな生を経ます。
妖精の在り方を、ラノベを通して描いたのが自著『世界樹』です。