私たちが大学や専門学校に行くのは「手に職」を得たいからでしょう。
ひいては、高校や中学で勉強を頑張るのも、小学校から受験勉強をするのも、手に職を得たいからでしょう。
ではどのスキルが最も堅実な手に職なのでしょうか?
知的分野の地獄のような努力は「手に職」になっていない・・・
遠い昔、寺子屋が普及して知的勉学が盛んになったのは、「農業以外の知的労働も選択できるようになるために」でした。
その目的のために学校の勉強はどんどん高難度になりましたが・・・21世紀の大学4年生は、知的労働の職が確約されていたりはしません。
どの職種にせよライバルが多く、就活を30社もこなしても就職が決まらなかったりします。そしてようやく入社にこぎつけても、仕事が辛すぎてすぐ辞める人が多かったりします。
「何らかの専門分野を勉強して大学まで頑張る」という下積みの結果が、こうです。
どの学科を選んでも、およそ同じような結果になるでしょう。
学年1位の人以外は。
では、娘や息子には何の教科の勉強を頑張らせればよいのでしょうか?
結局のところ、「肉体労働をする体力」だったりする
15年にも及ぶ学生時代が「手に職を得るためのもの」だとすれば、最も力を入れるべきは、「運動系の部活」だったりするのかもしれません。
いいえ、運動部に入らなくてもよいのです。帰宅部でダンススクールに通ったり、吹奏楽部で背筋を伸ばして腹からトランペットを吹いていてもよいです。
とにかく、最も堅実なスキルというのは「肉体労働をする体力」だったりするのです。
これは、そんなに頑張る必要がないです。
バレー部でレギュラーになれなくて大丈夫です。おおむね部活に参加し、練習をこなせるようになっているなら、それで充分でしょう。
受験勉強のような地獄はないです。朝6時に起きて夜10時の塾帰りも不要です。
体力があると、リゾートバイトが出来る
体力がある人は、リゾートバイトが出来るのです。
リゾートバイトは、ホテルのベッドメイクや、観光客向け飲食店、フルーツの収穫など、肉体労働が多いです。
こうした仕事を住み込みで行いますが、寮費が無料か1万円ほどです。そして食事も多く支給されます。
すると、時給1,000円程度のリゾバでも、1か月で15万円も貯金が出来てしまったりします!
沖縄や北海道の大自然を眺めながら、です。
そして貯めたお金ですぐに海外旅行にも出られます。3か月も旅行休みを作れます(笑)
15年間必死に勉強をして頭脳職に就いても、こんなに貯金と旅行のできる22歳にはなれません。
・・・結局のところ、頭脳職のために勉強に励むよりも、「いっぱしの体力を付けておく」ことのほうが、「手に職」になるのです。
体力さえあれば、リゾバの様々な職種に応用が利きます。ベッドメイクで週5日働けたなら、フルーツの収穫でも週5日働けるでしょう。
勉強が無意味なわけではない
学生時代に勉強や宿題や合唱祭の練習を頑張ることは、無意味ではないです。
一通りの学力、一般常識、社会性を、学生の間に培っておくべきです。社会性がないと、肉体労働でも雇ってもらえませんし、上司に信頼されません。
偏差値の基準で言えば、55くらいは目指してもよいでしょう。それくらいあればそこそこの一般常識や社会性があるはずです。偏差値50は欲しいところです。
学業を真面目にこなすことは、決して無意味ではないです。
真面目な友人を作るためにも、それなりに真面目な生徒であったほうがよいです。
人はなぜお金を稼ぐのか?
「それなりの仕事に就きたい」と願い懸命に勉強する理由は、遊ぶお金が欲しいからでしょう。
そして多くの人にとって、あちこち旅行をしたり、ときには長い休みをとって芸術やレジャーに没頭する時間を設けたいものです。そういう社会人を夢見て学業に励みますが、ITエンジニアになっても医者になってもその夢がかなうわけではありません。
そう考えてみると「リゾバの出来る大人を目指す」という考え方は、かなり有意義なのではないでしょうか?
一生モノの特殊技能などほとんどない
私が専門学生の頃、「Photoshopやillustratorが扱えれば一生食いっぱぐれることはない」と先生に言われました。しかし現実はどうでしょう?今どき、デザインソフトが扱えるだけでは定年まで食べていける手に職とは言えません。
それは他のほとんどの特殊技能も同様です。そして、話題の技能・最新の技能ほどこのように、ニーズの流行り廃りがあります。
何かの技能を得ようと勉強するのは良いのですが、それがあなたの人生を向こう50年安心させてくれるものだとは、信じないほうがよいです。
リゾバがまた「手に職」にもなる
面白いのが、リゾバは更なる仕事の試金石にもなりうることです。
リゾバ自体は、どの職種にせよ未経験者を前提に募ります。農業の経験がなくても農業のリゾバが可能です。
リゾバではあまり難しいことは求められませんし、専門知識を詰め込む必要もありません。
しかし3か月も働いていると、勝手に農業のことを覚えていきます。
すると今度は、「農業経験者です」という職務経歴を持って、農業の会社に就職することすら出来てしまいます!
リゾバでウェイターを3か月経験したなら、場合によっては吉野家やチェーン飲食店の「店長候補生」に応募しても受かるでしょう。すると月収26万円です。
ホテルのコンシェルジュなど憧れるでしょうか?
でもホテルの専門学校でも出ていないと、入社出来そうには見えませんね。しかし、リゾバでベッドメイクをやっていると、「フロント業務も兼任してくれないか」と声が掛かることがあります。そして「フロント経験者」という肩書きを得たなら・・・ホテル専門学校に3年間通った子よりも、あなたのほうがホテルコンシェルジュの求職に選ばれるでしょう!
「未経験者OK!」でありつつ、「実務経験」が得られるのです(笑)
さらには、転職や環境変化に動じない人間になれる
大衆の多くは、転職や環境変化をひどく恐れます。転職の1つも出来ずに、ブラックな会社にずっと服従し続けてしまいます。
しかしリゾバを2~3経験したなら、転職することを恐れなくなります。それに、住む場所が変わること、住居や人付き合いが変わることを恐れなくなります。非常に柔軟な人間になれます。
それは、オーラの成長という面でも非常に有意義です。
肉体労働は二十代まで?そんなことはない
「でも肉体労働が出来るのは二十代まででしょ」と反論する人がいます。
「ウェイトレスをやって体がもつのは二十代までよ」と。
体力に自信のない人は衰えも早く、30歳を過ぎたくらいから体を動かすことに自信を失ってきます。すると自分にも我が子にも、「肉体労働が出来るのは若いうちだけだよ」と言うようになってしまいがちです。
しかし実際に肉体労働に励んでいる人々は、その日々の労働によってさらに体力が付きますし、体力が維持できます。すると定年までずっと農業だって出来るのです。
もちろん、酷使されすぎる飲食店だってあります!そういうところは辞めてきたり、休憩時間が取れるように職場改善の進言をしたりすべきです。
「体力」「肉体労働」を見下すなかれ、という話です
この記事が言わんとしているのは、「リゾバ最高!」ということではありません。リゾバに苦労がないわけでもありません。
「体力」や「肉体労働」というものを、見下さないほうがいいよ、ということです。
あなたが立派な体力を身に着けて育ってきたなら、そのことに誇りを持ってください!
肉体労働を平然とこなす人々を、決して見下さないことです。
そして、あなたがまだ学生なら、勉強に飲み込まれないように、気を付けましょう。