イラストや音楽など、芸術創造をたしなんでいる人がいるでしょう。
だんだん本気になって上達してくると、他人から評価されたくもなるものです。しかし、あまり躍起にならないようにしましょう。
芸術のゴールは、「自分が気に入る作品」
芸術の技術のゴールは、「自分が気に入る作品」を創れるようになることです。
自分がそれを眺めたり聴いたりして、「あぁ、いいなコレ♪」と気持ちよくなれるものを創れるようになることが、何よりも重要です。
隅々まで完璧である必要はありません。「大体イイ感じ」ならそれでよいです。作品全体の雰囲気として、あなたが気持ちいいものが創れれば上出来です。
他人軸では幸せではいられない
たとえば、あなたが優しいバラードを好むとします。しかし、売れるために激しいロックを書いて、それがミリオンヒットを飛ばし、評論家にも絶賛されるとします。ある意味では嬉しいし満たされるでしょうが、それは芸術家人生において至高の幸せではないのです。
そのロックを何度もテレビで歌っていても幸せを感じませんし、家で聴いていても幸せに感じられません。
芸術は長い時間触れているものなので、「自分にとって心地よいもの」でないと苦痛でしかないのです。
ある程度までは他人軸での研鑽が必要
ある程度までは、他人、講師、社会が「すごいね」と言ってくれる技量を目指すことが必要です。まるで上手くもないのに「オレはヘタウマが好きなんだ」と言っていても、それはつまらない芸術人生です。
その基準を示すのは難しいものがありますが、素人の友達が褒めてくれる程度には、基礎的な技術があったほうがよいです。絵を描くなら、そこそこのデッサン力は磨きましょう。
「コンクールに応募しても、もしかしたらかするかもな」と思えるくらい上手くなったなら、もう充分です。コンクールで全く賞が獲れなくても、賞を狙いに行って売れ線のボカロを創るより、あなた好みの曲を創りましょう。
芸術は、お金を稼ぐための道具ではなく、存在証明のツールでもありません。
ときにはそういうことに使ってもよいですが、それが本質ではありません。
あなたが心地よいものを、たくさん生み出すほうがよいです。あなたが心地よいものを、たくさん奏でたり描いたりしたほうがよいです。
その時間が、幸せなのです。
芸術は、人を幸せにするためにあります。
芸術がなくても、人は生きられます。衣食住があれば生命は保てます。しかし、自分が心地よいと思える芸術を自分で創れるようになると、あなたはとても幸せです。