ジャイアンを美化していはいけない
- acousticlife111
- 2024年5月20日
- 読了時間: 3分
『ドラえもん』に出てくるジャイアンは、暴力的ないじめっ子です。
しかし映画の中では友達思いなキャラに変わります。すると、「ジャイアンは本当はいいヤツなんだよ」と言う人が大勢出てきます。
いいえ、ジャイアンはいいヤツではありません。
時々優しくなる人は、「善い人」とは言えない。
冒頭のジャイアンの件は、わかりやすいたとえ話にすぎません。
ジャイアンのような人が、学校や会社や周囲にもいるでしょう。普段は素行が悪く、時々だけ優しくなったり愛想よくなったり、張り切って活躍したりします。すると「彼は本当はいい人なんだよ」と他者がかばったりします。
しかし、それは正しいとは言えないです。
時々優しいだけの人は善い人ではありません。そういう人は、あなたの恋人には向きませんし、友達にも向きません。
時々優しくしてくれることがあるとしても、一緒にいるときの9割はストレスで、幸せではないのです。
マンガがそれをフェチズムとして描くようになってしまった・・・
近年、ジャイアンのような人を危険人物とは思わない人が増えてしまっています。それは、マンガがそれをフェチズムとして描くようになってしまったからです。ツンデレもそれに近いところがあります。
普段はぶっきらぼうな男性が、時々優しい言動や笑顔を見せるとき、「この笑顔がたまらないの!」とヒロインは言い、彼に夢中になってしまいます。
すると読者も、身近にいるぶっきらぼうな男性に魅力を感じるようになってしまいます・・・。
あなたの友達にもいるでしょう。泣いている友人に「なんであんな冷たい男と付き合ってるの?」と尋ねると、「時々は優しくしてくれるんだもん」と言い返してきます。彼女のそれは、屈折した恋愛なのです。
時々優しい男ではなく、いつも優しい男と付き合うべきです。
少年マンガの主人公にも多い
少年マンガの主人公にも、こうした危険人物が多いです。
普段はわんぱくで自分勝手で、スポーツや何かに熱中しています。勉強もせず、放課後の掃除もせずに部活に走っていきます。しかし試合前になると誰よりも頑張ったり、そのスポーツに関しては誰よりも頑張ったりするので、「彼は魅力的なヤツだ」と他キャラから評価されていたりします。
こうしたマンガに影響されて、実生活でこういう生きざまを見せる男の子も多いものです。
そのキャラもその少年も、魅力的なヤツではありません。
こういう人を評価しないほうがよいです。
もちろん、恋人にも向きません。
学園青春ドラマなどにもこういうキャラが多いです。
「それでいいんだ」と思ってしまう人が増えている。
少年マンガや青春ドラマなどの影響で「普段はわんぱくでも時々真面目にやればいいんだ」と考える人が増えています。特に男性に多いです。
スポーツに熱中する子や、起業する人、Youtuberのようなことをやる人、芸能人、歌手などに多いです。
こういう人を「魅力的だ」と思わないほうがよいです。
世の中には、学業や放課後の掃除をきちんとやっていながらも、その上で部活やバンド活動に熱中する人もいます。そういう人のほうが素晴らしいです。
たとえば『ハイキュー!!』というマンガにおいて、日向や影山が大好き!彼のようになりたい!というのは良い感性とは言えません。副キャプテンの菅原やキャプテンの澤村のような男性が、人間的に成熟したスポーツ少年です。
「社会性や思いやりはとても大切だ」ということをいつも中心に置いていて、その上でスポーツや音楽に熱中する、そういう生きざまがよいです。社会性を持ちながらも、熱くなることは出来ます。
こういう人はなかなか一等賞は獲りませんが、人格としては優れています。